「トンカツの選択」

(※カリオとウンカリーの冒険 〜サイドストーリー〜)

 

第1章: 森の中のトンカツ

カリオ(カレー味のうんこ)とウンカリー(うんこ味のカレー)は、自分たちの「味」と「存在」の意味を探る旅の途中、静かな森の中で異様な光景を目にした。 そこには、皿の上で金色に輝く衣をまとったトンカツが座り込んでいた。衣はサクサクと音を立てそうなほど完璧で、どこからどう見ても「理想のトンカツ」そのものだった。 しかし、そのトンカツの表情は曇っていた。彼は地面を見つめながら何かに苦しんでいる様子だった。 「君、大丈夫?」カリオが声をかけた。 トンカツは顔を上げると、二人をじっと見つめた。 「僕は、トントン・カツオっていうんだ。でも、どうしたらいいのかわからないんだ……」

 

第2章: トンカツの苦悩

カツオは、自分が「ただのトンカツ」で終わることに嫌気が差していた。トンカツとして生きるには十分に美しいが、そのまま食べられてしまえば、ただの「過去の思い出」として消えてしまう。それに耐えられなかったのだ。 「僕は、もっと特別な存在になりたい。でも、選択肢が二つしかないんだ。」 カリオとウンカリーは顔を見合わせた。「どんな選択肢?」 カツオは語った。 「一つは、カツカレー味のうんこになること。もう一つは、うんこ味のカツカレーになることだ。」 二人は驚きを隠せなかった。 「そのどちらかを選ぶ必要があるの?」ウンカリーが尋ねた。 「そうなんだ。だけど、どっちを選んでも怖いんだよ。カツカレー味のうんこになれば、自分は“うんこ”だと見られる。でも、少なくとも味は素晴らしい。一方で、うんこ味のカツカレーになれば、見た目は完璧でも、食べた人に嫌われる運命だ。」

 

第3章: カリオとウンカリーの助言

カリオは真剣な表情で言った。 「僕たちも同じようなことで悩んでたんだ。僕はカレー味だけど“うんこ”だし、ウンカリーはカレーに見えるけど“うんこ味”なんだ。」 ウンカリーも頷いた。「でもね、僕たちはその“不完全さ”が僕たちの個性だって気づいたんだ。」 カツオは二人の話をじっと聞いていた。 「じゃあ、僕も自分の“個性”を見つければいいの?」 「そうだよ!」カリオが力強く答えた。「君はトンカツなんだ。カレーと絡もうが、うんこと絡もうが、それをどう受け入れるかは君次第さ。」 ウンカリーも続けた。「完璧な選択肢なんてない。でも、自分が何を大切にしたいかで決めるんだ。」

 

第4章: トンカツの選択

カツオはしばらく考え込んだ。そして、意を決した表情で顔を上げた。 「僕は……カツカレー味のうんこになるよ。」 「どうして?」ウンカリーが尋ねた。 カツオは微笑んだ。「それが、僕の“味”を活かせる道だからさ。たとえ見た目がうんこでも、食べた人が『これはうまい!』って笑顔になれるなら、それが僕の幸せなんだ。」 カリオとウンカリーはその答えに感動した。

 

第5章: 新たな仲間として

こうしてトンカツことトントン・カツオは、カリオとウンカリーの旅に加わることになった。 彼は自分の選択に満足し、自信を持って生きるようになった。そして、三人は共に、自分たちの「味」と「存在」の意味をより深く探る旅を続けていった。

 

エピローグ: 味の調和は続く

「ねえ、カツオ。」カリオが言った。「カツカレー味のうんこになった君も、立派な仲間だよ。」 「ありがとう、カリオ。」カツオが笑顔で答えた。「僕たちはみんな、ちょっと変わってるけど、それがいいんだよね。」 ウンカリーも微笑みながら言った。「そうだね。僕たちはただ食べられるためにいるんじゃない。この世界に新しい“味”を届けるためにいるんだ。」 三人は笑い合いながら歩き続けた。

その先にどんな冒険が待っているのかは、まだ誰にもわからない――。